自身のキャリアを考えて、今の会社に居続けても解決しない問題がある場合は転職を考えましょう。
転職はお受験のようにルールやお作法があります。選考プロセスに対する適切な準備と対策が不可欠です。
自己分析の徹底
自己分析をしっかりとしておくことで、自分の強み、弱み、スキルセット、達成した成果を理解し、それらをどのように新しい職場で活用できるかを考えることが出来ます。
また、キャリア目標を明確化しておくことで、面接でも入社後にどのようなキャリアを思い描いているかアピールすることができます。
履歴書と職務経歴書の最適化
一度ベースとなる履歴書・職務経歴書を作成します。企業に応募する際は、応募先企業に最適化するために修正を加えた上で提出しましょう。
あなたの職務経歴の中でも、応募先企業・求人のMUST要件・WANT要件に合致したスキル・経験について重点的に記載しておき、面接でのアピールに使います。
企業研究と対策
応募先企業のコーポレートサイトをチェックし、企業のビジョン、文化、製品・サービス、市場ポジションなどを確認しておきましょう。
情報が少ない場合や、業界全体のトレンドなどを把握したい場合は転職エージェントに相談してみます。企業によっては、転職エージェントを通して課題図書的に「資料読んでおいて!」と情報を開示してくれる場合もあるため、その場合は時間をとって内容を確認しておきましょう。
面接対策
- 一般的な面接質問の準備: 「自己紹介」「志望動機」「過去の経験について」「強みと弱み」などの一般的な質問に対する回答を準備します。
- 行動指向の質問への対応: 過去の具体的な経験を元にして、どのように問題を解決したか、成果を達成したかを示すエピソードを準備します。
面接では、あなたの普段の仕事ぶりと、求人票で要求されているMUST/WANT要件を満たす能力を持っていることを面接官にしっかりと伝えることが重要です。
また、短い面接の中で判断してもらうため、良い印象が残るような飛び道具のようなものを準備できていると尚良いでしょう。例えば、会話が異常に面白いとか、プレゼン能力が高く話が伝わりやすい、などです。
自己紹介・転職理由の対策
まず面接が始まったら求職者の自己紹介から!という流れの場合が多いと思います。基本的な自己紹介は簡潔に済ませ、転職理由についても説明しておきましょう。
転職理由は、ネガティブに表現しないように注意しましょう。例えば以下のようなポジティブな言い換えをあらかじめ考えておきます。
- 今の仕事内容が嫌→○○(別の仕事)をしたくなった。
- 現職の給料が低い→給与アップしたい。正当な評価がされるところで働きたい。実力主義の会社で働きたい。
- 現職は残業時間が多い→パフォーマンスが落ちない範囲で働きたい。一度体調不良になり、現在は回復しているが今後は迷惑をかけないように自分に合った時間で働きたい。
- 現職は人間関係が悪い。クソ上司がいる、など→1人の力では出来ないことをチームで達成したい。そのために敬意を持って接することのできる仲間と働ける環境に身を置きたい。
一般的な質問への対策
面接では、企業によって異なるものもありますが、共通してよく聞かれる質問も存在します。あらかじめ回答を考えておき、相手の聞きたいことに正確に回答できるようにしておきましょう。
よくある質問 | 回答ポイント |
---|---|
退職理由 | 前述の通り |
志望動機 | 企業のビジョンや製品、サービスに対する理解を示し、それが自分のキャリア目標や価値観とどのように合致しているかを説明します。 会社研究をしっかりと行い、具体的な理由を述べることが大切です。 |
自己PRに対する質問 | 自分の強みや過去の経験を具体的な事例を交えて説明します。 どのようにしてその強みが仕事に活かされるか、実際の業務例を挙げて説明すると良いでしょう。 |
将来のキャリアプラン | 短期的および長期的なキャリアプランを具体的に述べ、その会社でどのように成長し、貢献できるかを説明します。 自分の目標が企業の成長や成功にどう結びつくかを示すことがポイントです。 |
現職での業務経験 | どのような点で苦労し、どのような点を工夫して乗り越えたか?といった内容をあらかじめ整理しておくと回答を作りやすいです。 STARの法則に当てはめて考えてみましょう。 |
強みと弱み | 自己分析で洗い出した強みと弱みを簡潔に伝えます。 「強みを今後伸ばしていきたい。それにより弱みを補完できる」または「弱みを今後改善していきたい」のどちらかのパターンで文章を作っておくと良いでしょう。 |
逆質問対策
面接の最後には逆質問=求職者側から企業への質問コーナーがあります。逆質問を一切しないと悪印象を与えるとは限りませんが、うまく活用することで以下のメリットがあります。
- 積極性のアピール
- 企業とのフィット度合いを確認できる
- コミュニケーション能力のアピール
僕の場合は、あらかじめ数パターン考えておき、面接の中で話題に上がらなかった部分があれば逆質問の時間に質問しています。面接官に応じて、以下のような質問を準備しておくと便利です。
人事面接での逆質問例
人事担当者は企業文化、採用基準、福利厚生など、会社全体に関する質問に答えることができます。
- 企業文化に関する質問:
- 「この会社の企業文化をどのように表現しますか?」
- 「社員のワークライフバランスをどのようにサポートしていますか?」
- キャリア成長と研修に関する質問:
- 「従業員のキャリア成長をどのように支援していますか?」
- 「どのような研修プログラムがありますか?」
- 評価と昇進に関する質問:
- 「パフォーマンス評価はどのように行われますか?」
- 「昇進のプロセスはどのように進められますか?」
担当者面接での逆質問例
担当者は具体的な職務内容、チームの動き、日常の業務フローなどについて詳しいです。
- 職務内容に関する質問:
- 「このポジションの一日の業務はどのようなものですか?」
- 「この役職において成功するための重要なスキルは何だと思いますか?」
- チームとの協働に関する質問:
- 「このチームの現在の構成はどのようなものですか?」
- 「チームでの主なコミュニケーションスタイルは何ですか?」
- プロジェクト管理に関する質問:
- 「チームの主なプロジェクトは何ですか?」
- 「課題や困難に直面したときの対処方法は?」
役員面接での逆質問例
役員は会社のビジョン、戦略、将来の方向性に関して深い理解を持っています。
- 会社のビジョンと戦略に関する質問:
- 「この会社の長期的なビジョンは何ですか?」
- 「業界内での会社のポジションをどのように見ていますか?」
- 市場と業界の動向に関する質問:
- 「今後の業界のトレンドや変化に会社はどのように対応していく予定ですか?」
- 「競合他社との違いはどこにありますか?」
- 企業の成長と未来に関する質問:
- 「今後の数年間で会社が直面する主な課題は何だと考えますか?」
- 「将来的に新しい市場や事業領域への展開は考えていますか?」
最低限の準備
質問の準備に時間をかけたくない場合や、緊張して質問したかったことを忘れた時は、自分への期待値を質問してみましょう。人事目線での期待値、担当者目線での期待値、役員目線での期待値それぞれの面接で聞くことができます。
どうしても何も質問が出てこない、でも何か質問しないといけない空気…という場合は、面接の中で会話したことを復習する形で会話をしてもOKだと思います。「さきほど人事制度について◎◎と伺うことが出来たため、もう質問はございません」などです。
ケーススタディや実技テストの準備
ITコンサルを受ける場合はケーススタディ面接が用意されている場合が多いようですが、コンサル以外にも金融やマーケティングなどそれぞれの業界に応じたケーススタディ面接が用意されている場合があります。
そのような場合は求人票や口コミサイト、転職エージェントからあらかじめ情報を得ることができるため、準備をしてから臨みましょう。
また、外資ITやメガベンチャーであればコーディングテストや技術質問が用意されているケースが多いようです。こちらも質問内容がある程度定型化されているため、あらかじめ対策をして臨みましょう。
条件交渉(オファー面談)
内定をもらえた後はオファー面談が実施されます。
入社時期や年収についての最終調整です。特に年収についてはこのタイミングでの交渉次第で金額が変わってしまいます。年収アップ目的で転職活動をしていた場合は、あらかじめどのように交渉をするか考えておきましょう。
一番わかりやすく、かつ手っ取り早い方法は競売方式です。複数社から内定をもらい、それぞれに提示された年収をもとに交渉を行います。A社からは年収700万円、B社からは650万円で提示されている場合にB社に「A社から700万円出ている」と交渉することが出来ます。
面接対策がうまくいかないときは
転職エージェントの活用
転職エージェントを活用することで選考対策も行うことが出来ます。
レバテックキャリアなら、あなたに専属エージェントが付くだけでなく、企業担当エージェントから選考に関する情報もゲットできるため選考対策がグッと有利になります。
レバテックキャリアはIT特化の転職エージェントです。特化型エージェントにも関わらず求人件数は7,000件以上と豊富で、その8割以上がハイクラス(年収600万円以上)求人。
現在IT職・エンジニアの人にはレバテックキャリアがおすすめです。
まとめ
転職の選考対策は、自己分析から始まり、履歴書の準備、企業研究、面接対策、実技テストの準備、オファー面談の戦略まで、多岐にわたります。
これらのステップを丁寧に行うことで、転職活動を成功に導くことができます。
自分自身の価値を最大限に発揮し、理想的なキャリアを築くための重要なステップとして、転職の選考対策をしっかりと行いましょう。
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